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滋賀県大津市の犬塚の欅 [お寺]

学生時代に母校である龍谷大学大宮学舎の図書館であれこれ探していた頃、新聞記事のバックナンバーで蓮如上人の愛犬であった柴犬の木像が本願寺宝物として現存していることを知りました。

当時は蓮如上人は柴犬を飼われていたのだという認識くらいしか無かったのですが、後年SNSで蓮如上人と柴犬の話をしていたところ、大津に犬塚があることを教えて頂きました。

本願寺第8代門主である蓮如上人は、本願寺中興の祖と言われていますが、門主となられた時は、本願寺派まだ5間四面程度の本堂だったと言われます。その後徐々に伝道をされていくにつれ、他宗の門徒の方から驚異と受け止められ、蓮如上人の毒殺未遂事件が勃発いたします。
この時、不穏な気配を察した愛犬が、蓮如上人のために出された食事に毒物の混入を知り、自分がそれを食べることで身代わりとなったと言われています。
世間では伝説の様に言われていますが、その身代わりとなった犬を埋葬し、欅を植えたのがこの犬塚の欅です。

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説明板には伝説と言われていますが、愛犬であった柴犬の像を後年蓮如上人がご自身で彫られたのか仏師に頼まれたのかは定かではありませんが、その像が現存することでこの事件が史実であることを物語っています。
蓮如上人が飼われていた柴犬がこの一匹だけとは限りませんが、木像にしてまでその姿を偲ぶというのはよほどのことがない限りあり得ない事です。

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場所は滋賀県大津市の日本赤十字病院の裏手、京阪の駅との間の狭い路地の角です。
京都に行くことはあっても、なかなかここまで足を伸ばすことができなかったのですが、日程がとれ2輪で2018年の3月末にやっと訪れることができました。

この犬が居なかったら、果たして当山の当時の住職が京都に蓮如上人を訪ね、浄土真宗に改宗したのか、それは定かではありませんし、今の本願寺が今の姿かどうかもわかりません。

本願寺の歴史に非常に大きなポイントとなる柴犬の存在を、改めて感じたことです。

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